このページでわかること
「鍵を閉めたか、何度確認しても不安が消えない。」
「汚れが気になって、手洗いが止められない。」
「浮気などするつもりはないのに、自分が浮気をしてしまうのではないかと頭から離れない。」
それは意志の弱さでも、神経質な性格でもありません。
強迫症・強迫性障害(OCD)は、適切な治療で改善が期待できる疾患です。
強迫症・強迫性障害(OCD)は、頭から離れない不安やこだわり(強迫観念)と、それを打ち消すために繰り返す行動や心の中の儀式(強迫行為)が特徴の疾患です。
世界保健機関(WHO)は、強迫症・強迫性障害(OCD)を「生活上の機能障害をひきおこす10大疾患のひとつ」に位置づけています。意志の弱さや性格の問題ではありません。治療に取り組むことで、症状を軽減することが可能です。
なぜやめられないのか
強迫症・強迫性障害(OCD)は、脳の警報システムが過剰に反応している状態です。強迫行為をすると一時的に不安が和らぎますが、脳は「やはり危険だった」と学習し、悪循環が強化されていきます。やめられないのはあなたのせいではありません。強迫症・強迫性障害(OCD)のメカニズムそのものです。
出典:国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト/International OCD Foundation
強迫症・強迫性障害(OCD)の症状は実はとても多様です。
強迫症・強迫性障害(OCD)では、自分でも「やりすぎ」とわかっていても、やめられないことが特徴です。「神経質なだけ」と放置せず、専門家に相談することをお勧めします。
出典:国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト
これらの考えは、本人の意思や人格とは無関係です。考えが浮かぶこと自体は、その人の人格や欲求を反映しているわけではありません。
出典:国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト/International OCD Foundation
信仰心の強さや道徳心の高さとは異なります。「正しいかどうか」への疑念が繰り返し浮かび、確認や儀式をやめられなくなるのが強迫症・強迫性障害(OCD)の特徴です。
出典:International OCD Foundation/国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト
これらの考えは、本人が望んで浮かべているものではありません。強迫症・強迫性障害(OCD)の症状として、自分が最も受け入れがたい内容の考えが浮かびやすいことが知られています。浮かんでくる考えは、その人の人格や欲求を反映しているわけではありません。
出典:International OCD Foundation/University of Pennsylvania Center for the Treatment and Study of Anxiety
完璧主義や几帳面な性格とは異なります。「ちょうどいい」という感覚(just-right感)が得られるまでやめられず、日常生活や仕事に支障が出ることが特徴です。
出典:International OCD Foundation/国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト
精神的強迫は外から見える行動を伴わないため、本人も「考えすぎているだけ」と見過ごしやすい症状です。しかし頭の中の儀式も、強迫行為と同じメカニズムで不安を強化し続けます。心の中で行っているため、周囲からはきづかれにくく、自分でも症状だと気づきにくいのが特徴です。
出典:International OCD Foundation/国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト
強迫症・強迫性障害(OCD)は、適切なサポートを受けずに放置すると、多くの場合、時間とともに悪化していきます。
① 回避範囲が広がる
不安を感じる状況を避けるようになり、避ける対象が少しずつ増えていきます。外出できなくなる、仕事に行けなくなるなど、生活の範囲が狭まっていきます。
② 強迫行為に費やす時間が増える
最初は数分だった確認や儀式が、1日数時間に及ぶようになることがあります。仕事、家事、人間関係に使える時間とエネルギーが失われていきます。
③ うつ病などの二次障害が生じる
強い不安と疲弊が続くことで、うつ病や社会不安障害を併発するリスクが高まります。
④ 家族や周囲を巻き込む
確認や儀式に家族が付き合わされることで、人間関係に亀裂が生じることがあります。
出典:国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト/International OCD Foundation
強迫症・強迫性障害(OCD)には、エビデンス(科学的根拠)のある治療法が存在します。
強迫症・強迫性障害(OCD)に最も効果が示されている方法は、認知行動療法(CBT)のなかでも特に暴露反応妨害法(Exposure and Response Prevention: Ex/RP)です。アメリカ精神医学会(APA)のガイドラインおよびInternational OCD Foundation(IOCDF)は、Ex/RPをOCDの第一選択として推奨しています。
なお、従来の対話中心のカウンセリングは、強迫症・強迫性障害(OCD)に対して効果があるというエビデンスがありません。OCDにはEx/RPまたは薬物療法を最初に試みることが重要です。
出典:International OCD Foundation/American Psychiatric Association Practice Guideline for OCD
抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が、強迫症・強迫性障害(OCD)の薬物療法として用いられます。Ex/RPと併用されることも多く、不安を和らげることでEx/RPに取り組みやすくなる効果が期待できます。薬の使用については、精神科・心療内科の医師にご相談ください。
出典:国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト
① 想像エクスポージャーを含む国際標準プロトコルを提供
日本で広く用いられているEx/RPは現実エクスポージャーが中心であり、想像エクスポージャーを含まない場合があります。INSIGHTIAでは、Foa et al.(ペンシルベニア大学)が開発した国際標準プロトコルに基づき、現実エクスポージャーと想像エクスポージャーの両方を提供しています。これにより、加害強迫・性的強迫・宗教強迫など、現実では再現しにくい症状にも対応できます。
② 指導者によるスーパービジョン
セッションの質を継続的に確認・向上させるため、OCD治療の専門指導者によるスーパービジョンを定期的に受けています。
③ 日本で数少ないEx/RPを提供できる機関のひとつ
強迫症・強迫性障害(OCD)に特化したEx/RPを提供できる専門機関は、日本ではまだ限られています。
セッションは、以下のステップで進みます。無理に進めることはなく、毎回あなたのペースに合わせて行います。
初回セッション(アセスメント)
現在の症状、生活への影響、これまでの経緯をお聞きします。まずは状況を一緒に整理することから始めます。
心理教育
強迫症・強迫性障害(OCD)のメカニズムと、Ex/RPがなぜ効果的なのかをご説明します。見通しを共有してから次のステップに進みます。
不安階層表の作成
不安を感じる状況をリストアップし、不安の強さで順番をつけます。いきなり一番怖いものから始めるわけではありません。
Ex/RPの実践
不安の低いものから段階的に取り組みます。セッション内で行うものと、日常生活の中で行う宿題の両方があります。
終結と再発予防
症状が改善し、自分でEx/RPを続けられるようになったら、セッションの終結を検討します。再発予防のための計画も一緒に立てます。
セッション回数の目安:週1回で、おおよそ16〜20回程度が一般的ですが、症状の重さによって変わります。
出典:International OCD Foundation/Foa et al. OCDプロトコル
Q1. カウンセリングと精神科・心療内科、どちらに行けばいいですか?
▼どちらか一方ではなく、併用をお勧めするケースが多いです。
精神科・心療内科では、診断と薬の処方が受けられます。一方、INSIGHTIAでは、強迫症・強迫性障害(OCD)に特化した認知行動療法(Ex/RP)のセッションを提供しています。
薬によって不安が和らいだ状態でEx/RPに取り組むと、セッションが進めやすくなる場合があります。すでに医療機関に通われている方も、そうでない方も、まずはご相談ください。医療機関へのご紹介が必要な場合は、一緒に検討します。
なお、診断を行うのは医師のみです。INSIGHTIAでは診断は行っておりません。ただし、診断の補助となる心理検査を実施し、検査結果をまとめた資料を医療機関にご提出いただくことができます。
Q2. Ex/RPはとても怖い取り組みと聞きました。本当に大丈夫ですか?
▼怖いと感じるのは自然なことです。しかし、Ex/RPはいきなり一番怖い状況に直面するわけではありません。
セッションでは、まず不安の低い状況から段階的に取り組む「不安階層表」を一緒に作ります。あなたが「これならできそう」と感じるところから始め、少しずつステップアップしていきます。
また、最初は必ずセッションの中で一緒に取り組みます。一人でいきなり行うわけではありません。
Ex/RPは確かに楽な取り組みではありません。しかし、国際的なエビデンスが最も蓄積された、強迫症・強迫性障害(OCD)に対して効果が示されている方法です。不安に感じていることは、初回セッションで遠慮なくお話しください。
Q3. 薬を飲まずにEx/RPだけで取り組むことはできますか?
▼はい、可能です。
強迫症・強迫性障害(OCD)ではEx/RPと薬物療法(SSRI)の併用が効果的とされています。しかし、薬を使わずにEx/RPのみで取り組み、改善が見られるケースも多くあります。
薬の使用については、精神科・心療内科の医師が判断するものであり、INSIGHTIAでは処方を行っておりません。薬に抵抗がある方、すでに医師から薬を勧められているが迷っている方など、まずは現在の状況をお聞かせください。必要に応じて医療機関へのご紹介も行います。
Q4. オンラインでもセッションを受けられますか?
▼はい、対応しています。
INSIGHTIAでは、対面セッションに加え、オンラインでのセッションも受け付けています。国内在住の方はもちろん、海外在住の方もご利用いただけます。
Ex/RPのセッションはオンラインでも対面と同様に進めることができます。現実エクスポージャーの課題は、ご自宅や日常生活の環境を活用して取り組むことができるため、オンラインであることが支障になるケースはほとんどありません。
Q5. 自分がOCDかどうかわからない段階でも相談できますか?
▼はい、むしろそのような段階でご相談いただくことが大切です。
「これはOCDなのか、それとも自分が神経質なだけなのか」と迷っている方は多くいらっしゃいます。強迫症・強迫性障害(OCD)は、症状の種類が幅広く、自分では気づきにくいケースも少なくありません。
初回セッションでは、現在の状況をお聞きしながら、症状の見立てを一緒に行います。その上で、Ex/RPが適切かどうか、他の専門機関へのご紹介が必要かどうかも含めてご提案します。「もしかして」という段階でも、ぜひご相談ください。
Q6. 子どもでも受けられますか?
▼中学生以上の方を対象としています。
強迫症・強迫性障害(OCD)はお子さんにも見られる疾患です。中学生以上であれば、本人の意思でEx/RPに取り組むことが可能と判断し、セッションをお受けしています。
小学生以下のお子さんについては、申し訳ございませんが現在対応しておりません。児童専門の医療機関や相談機関へのご紹介をお勧めします。
保護者の方からのご相談も受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。
Q7. 英語でのセッションは受けられますか?
▼はい、日本語・英語どちらでもセッションを受けていただけます。
INSIGHTIAでは、日本語と英語の両方でEx/RPのセッションを提供しています。在日外国人の方、英語でのセッションを希望される日本人の方、どちらもお受けしています。初回のお問い合わせも、日本語・英語どちらでも構いません。お気軽にご連絡ください。
「もしかして」と思ったら、まずご相談ください。
強迫症・強迫性障害(OCD)は、適切なサポートで改善が期待できる疾患です。一人で抱え込まず、まずご相談ください。
1. お問い合わせフォームから現在の状況を簡単にお聞かせください
2. 担当者より日程調整のご連絡をします
Counseling Office INSIGHTIA