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カウンセリングの選び方|失敗しないための10ポイントを公認心理師が解説

中野 稚子 - 臨床心理士・公認心理師

中野 稚子

Wakako Nakano

臨床心理士・公認心理師

この記事を執筆した人

所属学会

その他の所属

  • 都内私立 中高一貫校:スクールカウンセラー

略歴

学習院大学大学院 人文科学研究科 臨床心理学専攻 修士課程修了。日系および外資系企業にて約10年間、営業職として勤務。その後、心療内科や東京都庁 健康管理室にて臨床経験を積み、現在はPTSDやストレス関連疾患、摂食障害の臨床研究に関わっています。異なる文化的背景を持つ方々への心理支援を多言語で提供しています。

 

「カウンセリングを受けてみたいけれど、どう選べばいいかわからない」——そう感じている方は少なくありません。

 

資格の種類、料金体系、カウンセラーとの相性など、選ぶ際に確認すべきポイントは意外と多く、初めての方には特に複雑に感じられます。

 

この記事では、臨床心理士・公認心理師として東京都市ヶ谷を拠点に活動する私が、カウンセリングの選び方を10のチェックポイントとともにわかりやすく解説します。

 

今のカウンセリングに不安を感じている方や、初めて相談先を探している方にも役立つ内容です。ぜひ最後までご覧ください。

この記事の要点

・カウンセリングの選び方で重要なのは、公認心理師や臨床心理士がいるか、カウンセラーの得意領域が自分の悩みに合うか、科学的根拠に基づくアプローチかどうかに注意すること。

 

・自分に合ったカウンセリングを見つけるには、精神科医への紹介依頼・症状名での検索・専門家への相談が有効。

・カウンセリングは科学的根拠に基づく専門的プロセスであり、心療内科・精神科とは異なる。


カウンセリングについて

心理カウンセリングとは、「心の悩みを聞き、こころの専門家としての視点から指導や援助を行う」ことです(厚生労働省)。

 

単に話を聞いてもらう「愚痴の吐き出し口」ではありません。科学的根拠に基づいた心理学的技法を用いて、クライエント(相談者)の悩みを解決へと導く専門的なプロセスです。

 

例えば、「なぜ自分はいつも職場の人間関係で同じ失敗を繰り返すのか」という問いに対し、カウンセラーは認知(ものの捉え方)や行動パターンを一緒に整理し、より建設的な思考・行動へのシフトをサポートします。

カウンセリングと心療内科・精神科診療の違い

「カウンセリングに行くべきか、病院に行くべきか」——多くの方が迷うポイントです。以下の表で違いを整理しましょう。

 

項目 カウンセリング 心療内科・精神科
目的 心理的問題の解決・行動認知パターンの修正・自己理解・予防 疾患の診断・症状の軽減・治療・再発予防
担当者 公認心理師・臨床心理士 精神科医・心療内科医
内容 対話(心理療法)。認知行動療法・精神療法など 診断と薬物療法が中心。精神療法を併用する場合もある
保険適用 原則として保険適用外(自由診療) 公的医療保険が適用される
法的権限 診断・薬の処方は不可 診断・薬の処方・診断書の発行が可能

身体的な不調(不眠・強い動悸など)を伴い、日常生活に重大な支障がある場合は、まず心療内科や精神科の受診をお勧めします。「病名はついていないが、なんとなくつらい」という場合は、カウンセリングが適しています。

カウンセラーの資格・経験

日本では「カウンセラー」という名称に法的な制限がなく、資格を持たない人でもカウンセラーと名乗れます。だからこそ、資格と経験の確認が非常に重要です。

 

臨床心理士
日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。取得には、指定大学院(修士課程)の修了が必須で、筆記試験・口述試験に合格する必要があります。5年ごとの資格更新制度があり、継続的な研鑽が求められます。心理職の中でも最も歴史と信頼性が高い資格です。

 

公認心理師
2017年に誕生した、日本初の心理職の国家資格です。大学・大学院での指定科目の修了と、国家試験への合格が必要です。医師・学校・福祉などの他職種と連携した支援が法的に位置付けられており、チーム医療における心理士の役割が明確化されています。

 

精神科医
医師免許を取得した上で精神科を専門とした医師です。診断・投薬・診断書の発行など、医療行為全般が行えます。薬物療法を中心とした治療を担いますが、一部の精神科医は心理療法も実施します。

 

資格はないが、カウンセラーと名乗る方
日本では無資格でもカウンセラーと名乗ることが可能です。中には独自の研修や民間資格を取得している方もいますが、科学的根拠(エビデンス)に基づく心理療法を提供できるとは限りません。カウンセリングを選ぶ際は、国家資格または公認の民間資格の保有者かどうかを必ず確認しましょう。

カウンセリングの料金相場

カウンセリングの料金は、一般的に1回のセッションあたり5,000〜15,000円程度が目安です。

 

「なぜこんなに高いのか」と感じる方もいるかもしれません。その背景には、カウンセラーが質の高い心理療法を維持するために必要な、スーパービジョン(指導監督)・研修・学会参加などの自己研鑽コストがあります。

 

認知行動療法(CBT)など、比較的短期間(10〜20回)で効果が見込める療法を選ぶことで、長期的なコストを抑えられる場合もあります。料金体系が明確に公開されているカウンセリングオフィスを選ぶことが大切です。

 

カウンセリングの選び方

「カウンセリングの選び方がわからない」という声は非常に多く聞かれます。以下の10項目のチェックリストを参考に、信頼できるカウンセラーを選びましょう。

 

No. チェック項目
 1 公認心理師や臨床心理士の資格を持っているか
 2 心理学系の大学院を修了しているか
 3 公的機関や病院での勤務経験があるか
 4 自分の悩み・症状がカウンセラーの得意領域と合っているか
 5 精神疾患や心理療法について明確な記載があるか
 6 「効果保証」「◯回で治る」など実績が誇張されていないか
 7 スピリチュアル系・前世系・ヒーリング系を掲げていないか
 8 クライアント(相談者さま)の感想・体験談を掲載していないか
 9 一度受けてみてカウンセラーとの相性を確認できるか
10 セッション中、自分が話す割合が7割以上あるか

 

公認心理師や臨床心理士がいる

最初の確認ポイントは資格です。公認心理師(国家資格)または臨床心理士(公認民間資格)を保有しているカウンセラーは、大学院レベルの専門教育と厳格な試験をクリアしています。

資格の有無はウェブサイトやプロフィールページで確認できます。資格名が明記されていない場合は、問い合わせて確認することをお勧めします。

心理学系の大学院を修了している

心理療法の実践力は、学部教育だけでは十分に培われません。大学院での2年以上の専門的なトレーニングと実習を経ていることが、質の高いカウンセリングの土台となります。

プロフィールに「○○大学大学院修了」と明記されているかを確認しましょう。修了した大学院が心理系かどうかも重要なポイントです。

公的機関や病院での勤務経験がある

精神科病院・クリニック・保健所・学校・EAP(従業員支援プログラム)などの公的・医療機関での勤務経験は、多様なケースへの対応力の証です。

民間開業のみで経験を積んだカウンセラーと比べ、重篤な症状から軽度な悩みまで幅広く対応できる可能性が高くなります。

カウンセラーの方針・得意領域で選ぶ

カウンセリングの選び方において、最も大切なポイントのひとつです。自分の悩みや症状と、カウンセラーの専門領域が一致しているかを確認しましょう。

例えば、強迫性障害(OCD)には認知行動療法(CBT)の専門家が、トラウマにはEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)の資格を持つカウンセラーが適しています。

「何でもご相談ください」という表記より、「強迫症・摂食障害・発達障害専門」のように得意領域が明確なカウンセラーの方が、あなたの悩みに深く対応できる場合が多いです。

Counseling Office INSIGHTIAのカウンセラー経歴は、所属カウンセラーページをご覧ください。

精神疾患や心理療法について記載がある

「うつ病」「強迫性障害」「CBT」「EMDR」「認知行動療法」などの具体的な専門用語がウェブサイトに記載されているかを確認しましょう。

専門的な知識に裏付けられた支援が期待できるサインです。逆に、抽象的な表現(「心が楽になります」など)しかない場合は注意が必要です。

効果や実績が強調されていない

「◯回で完治」「成功率95%」「どんな悩みも解決」といった表現は、科学的に根拠のない誇大表現である可能性が高いです。

心理療法の効果には個人差があり、誠実なカウンセラーほど「保証」や「実績」を前面に押し出すことはしません。誇張表現が多いサイトには慎重に接しましょう。

スピリチュアル系を掲げていない

「前世療法」「オーラ鑑定」「ヒーリング」「波動」などを掲げているカウンセリングは、科学的根拠に基づいた心理療法とは根本的に異なります。

心理カウンセリングは、エビデンス(科学的証拠)に基づいたアプローチが基本です。こうした手法との混在が見られる場合は、別の選択肢を検討することをお勧めします。

クライアント(相談者さま)の感想を掲載していない

守秘義務はカウンセリングにおける最も重要な原則のひとつです。クライアントの感想や体験談を(たとえ同意を得た形であっても)公開しているカウンセラーは、倫理面での慎重さに欠ける可能性があります。

カウンセリングで話した内容が外部に出ないことへの安心感こそが、深い信頼関係を生む土台です。「掲載していない」という姿勢を評価しましょう。

一度カウンセリングを受けてみて相性で選ぶ

どんなに資格や経歴が優れていても、「この人には話しにくい」と感じてしまうと、カウンセリングの効果は半減します。

初回セッションを「お試し」として活用し、「安心して話せるか」「否定されずに受け止めてもらえるか」という感覚を大切にしてください。初回後に「合わない」と感じた場合、遠慮なく他のカウンセラーを検討して構いません。

また、対面とオンライン(Zoom等)の両方に対応しているカウンセラーであれば、体調や生活スタイルに合わせて柔軟に利用できます。

話す割合が相談者【7】:カウンセラー【3】くらい

良いカウンセリングでは、話す中心は「あなた自身」です。カウンセラーが延々とアドバイスや持論を語るセッションは、カウンセリングの本来の姿とは言えません。

相談者が7割、カウンセラーが3割程度の割合で話すのが一般的な目安です。カウンセラーは傾聴・質問・整理を通じて、あなた自身が答えを見つける手助けをする存在です。

「ほとんど自分が話していた」と感じたセッションは、概して質の高いカウンセリングであることが多いです。

インサイティアのカウンセラーの経歴や専門領域はこちらをご覧ください。

今のカウンセリングに不安を感じている方へ

すでにカウンセリングを受けている方の中には、「本当にこれでいいのだろうか」と感じている方もいるかもしれません。そのような場合に取れる選択肢を3つご紹介します。

担当のカウンセラーに聞いてみる

まず最初に試してほしいのが、今のカウンセラーに率直に疑問を伝えることです。「このカウンセリングは自分に合っているでしょうか」「効果が出ているのか不安です」と話してみましょう。

誠実なカウンセラーであれば、あなたの疑問に丁寧に答え、必要であれば別の方針や紹介先を提示してくれます。この対話自体が、信頼関係の確認にもなります。

「そんなことを言ったら傷つけてしまうかも」と遠慮する必要はありません。あなたの疑問を正直に伝えることは、カウンセリングを有効に活用するための大切な権利です。

主治医に相談してみる

精神科や心療内科に通院中の方であれば、担当の主治医に現在のカウンセリングへの不安を相談することも有効です。

主治医はカウンセリングの進捗を客観的に判断し、別のカウンセラーへの紹介や、治療方針の見直しを提案してくれることがあります。主治医とカウンセラーが連携しているケースでは、情報共有を依頼することもできます。

他のカウンセリングを受けてみる

複数のカウンセラーに相談することは、「浮気」でも「失礼」でもありません。自分に最も合ったカウンセリングを見つけるための、正当な選択肢のひとつです。

別のカウンセラーの初回セッション(インテーク面接)を受けることで、「前のカウンセラーとの違い」が明確になり、自分が求めているサポートの形が見えてくることがあります。

Counseling Office INSIGHTIAでは、他機関からの転院相談も随時受け付けています。初回セッションで現在の状況を丁寧にお伺いしますので、お気軽にご相談ください。

自分に合ったカウンセリングの探し方

「カウンセリングを受けたいが、どこから探せばいいかわからない」という方に向けて、3つの具体的な探し方をご紹介します。

精神科医に紹介してもらう

最も信頼性の高い方法のひとつが、精神科医や心療内科医からの紹介です。医師はクライエントの症状・重症度・必要な療法を把握した上で、適切なカウンセラーを紹介することができます。

すでに通院中の方は、次の診察時に「カウンセリングも受けてみたい」と伝えるだけで、具体的な紹介先を教えてもらえることがあります。

「自分の症状 カウンセリング」で検索する

「強迫性障害 カウンセリング 東京」「摂食障害 CBT 市ヶ谷」など、自分の悩みや症状を具体的にキーワードに入れて検索する方法です。

漠然と「カウンセリング 選び方」と検索するよりも、症状名や地域名・療法名を組み合わせることで、自分に合った専門機関を効率よく見つけられます。ヒットしたページは本記事のチェックリストを使って精査しましょう。

オンラインカウンセリングを希望する場合は「強迫症 オンライン カウンセリング」のように検索すると、全国対応の専門機関も見つかります。

公認心理師や臨床心理士に相談する

最初から専門家に「自分に合ったカウンセリングを教えてください」と相談することも、非常に有効な方法です。

公認心理師・臨床心理士は、あなたの悩みや状態を聞いた上で、最適なアプローチや紹介先を提案することができます。Counseling Office INSIGHTIAでも、「どんなカウンセリングが自分に合うかわからない」というご相談を初回セッションでお受けしています。

カウンセリングに関するよくある質問

カウンセリングとはどのようなものですか。

心理カウンセリングとは、「心の悩みを聞き、こころの専門家としての視点から指導や援助を行う」ことです(厚生労働省)。単なる相談ではなく、科学的根拠に基づいた心理療法を通じて、クライエントの悩みを解決へと導く専門的なプロセスです。

カウンセリングではどんな悩みでも相談できますか。

はい、基本的にはあらゆる心の悩みが対象です。うつ・不安・対人関係・摂食障害・トラウマ・強迫症・発達障害・職場ストレスなど、幅広い相談に対応できます。ただし、カウンセラーによって得意領域が異なるため、事前にウェブサイトや問い合わせで確認することをお勧めします。

複数名でカウンセリングを受けることはできますか?

可能です。カップル・夫婦・親子・家族での参加に対応しているカウンセラーもいます。複数名でのカウンセリングを希望する場合は、「カップルカウンセリング」「家族療法」などに対応しているかを事前に確認してください。Counseling Office INSIGHTIAでも、ご要望に応じてご相談を承っています。

オンラインでカウンセリングを受けられますか。

はい、対応しているカウンセリングオフィスであれば可能です。Counseling Office INSIGHTIAでは、ZoomによるオンラインカウンセリングをZoom対面カウンセリングと同水準で提供しています。全国どこからでも、自宅・オフィスなどご都合の良い場所から受けていただけます。英語でのカウンセリングにも対応しています。

目、耳、足が不自由なのですがどうすればいいですか。

事前にカウンセリングオフィスへご相談ください。Counseling Office INSIGHTIAでは、オンラインカウンセリングの活用により、移動が難しい方にも対応できます。視覚・聴覚に配慮した対応が必要な場合も、まずはお問い合わせください。

カウンセリング料金はどのくらいですか。

一般的に1回(50〜60分)あたり5,000〜15,000円程度です。Counseling Office INSIGHTIAの料金は料金・ご予約・アクセスページにてご確認いただけます。初回セッション前に料金を明示しているカウンセリングオフィスを選ぶことが、トラブル防止の観点からも重要です。

カウンセリングにはどのくらい通いますか。

悩みの内容や目標によって異なりますが、認知行動療法(CBT)を用いる場合は10〜20回程度が目安です。週に1回または2週間に1回のペースで通うケースが一般的です。初回セッションでカウンセラーと目標と期間の目安を確認しましょう。

自分の悩みを話しても真剣に受け止めてもらえないのではないか?と思ってしまいます。

その心配は無用です。カウンセラーは「どんな悩みも大切なもの」として受け止める専門的なトレーニングを受けています。「こんな悩みを話してもいいのか」という遠慮は必要ありません。

信頼できるカウンセラーは、あなたの話を否定したり「それくらい大丈夫」と軽く扱うことはしません。初回セッションで「安心して話せるかどうか」を感じることが、良いカウンセリングの第一歩です。

プライバシーは守られますか。

はい、守秘義務によって保護されます。公認心理師・臨床心理士はクライエントの許可なく、相談内容を第三者に開示することが倫理規定で厳しく禁じられています。

ただし例外として、本人または他者の生命に危険が及ぶ場合は、関係機関との連携が必要になることがあります。その際も原則として事前にクライエントへの説明と同意を得ます。

カウンセリングの選び方で迷ったら一度受けてみるのがおすすめ

本記事では、カウンセリングの選び方について、基礎知識からチェックポイントまで幅広く解説しました。

この記事のポイント

・カウンセリングは科学的根拠に基づく専門的プロセスであり、心療内科・精神科とは役割が異なる。

 

・カウンセリングの選び方として資格(公認心理師・臨床心理士)・専門領域・経歴を必ず確認する。10のチェックリストを使い、誇大表現やスピリチュアル系を避ける。

 

・自分に合ったカウンセリングを見つけるには、精神科医への紹介依頼・症状名での検索・専門家への相談が有効。今のカウンセリングに不安があれば、カウンセラーへの率直な問いかけや転院相談も選択肢。

カウンセリングを選ぶことに正解はありませんが、本記事の10のチェックポイントを手がかりにすることで、自分に合った相談先を見つけやすくなります。

 

しかし、自分にあったカウンセリングを選択するのは難しいかもしれません。一度、公認心理師・臨床心理士に自分にあったカウンセリングについて相談してみるのも一つの手です。

 

東京都市ヶ谷のカウンセリングオフィスインサイティアでは公認心理師・臨床心理士が対面・オンラインの両方でカウンセリングを行っております。

 

認知行動療法(CBT)専門のカウンセラーと、トラウマ・パーソナリティ障害・発達障害を専門とする臨床心理士・公認心理師がおりますのでお気軽にご相談ください。

 

詳しくは所属カウンセラーページをご覧ください。

 

また心理検査(WAIS-Ⅳ/知能検査・性格検査・発達検査・強迫症の検査)も実施しております。詳しくは料金・ご予約・アクセスページをご覧ください。